2012年4月7日土曜日

まるめがね

自分が丸眼鏡を買ったものだから、デビットホックニーに興味を持った。
何年か前のポールスミスのコレクションがホックニーだったこと、とあとはなんだか明るいアメリカの郊外をかいている人、というイメージしかなかったのだけど、とりあえず手始めに(お風呂上がりに)父の持っていた画集を見た。

そしてひゃんすんさんが和歌山県立美術館でホックニー展をやっていることを教えてくれたので、突発的にいってきた。

近代の作家の個展を見に行くのは、あの震災直後のクレー展以来だったのでほとんど1年ぶりであった。

その何日かあとに草間彌生展を見に行って、作品数は圧倒的に草間展の方が上だったと思うけれど、得るものは断然ホックニーの方が多かった。
(もちろん私の主観で)
つまり草間さんの作品はあれだけの量をあれだけの時間、絵と一対一で向き合ってつくりあげてきたという精神力とか、エネルギーとかそういうものには感銘をうけたし、それは確かに“凡人”にはこなせない仕事だと思ったけれども、対してホックニーの作品は計略的というか、どうすれば成功するか考えてやったのだと感じられる反面その策略の巧妙さというか、どうしてその作品を私はいいと思うかについて深く考えられる作品たちだったと思う。

まあ今の私の興味が主に印刷にあって、ホックニーのリトグラフの技術とかに感銘を受けたというのもある。
とくに有名なプールの作品は版画=複製芸術 という概念にまったくはまらないようなもので、だからいい わるい ではないけれど、複製できるという前提で発明されたものを違う風に用いりながらもしかもそれに成功している、というのはすごいことだとおもった。

あと単純に色がきれいだった。

でもそれって大事なことだと思う。

建築で、ミニマムな、無色透明ばかりがいいとされる日本では生み出せないような色使いだったし、きっと、同じ作品を日本で見るのとニューヨークのギャラリーとかロサンジェルスとかそういうところで見るのとはまったくちがうだろうな というような そういうかんじ。

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