2011年10月22日土曜日

文学




高三のセンター前は現実逃避が著しくて(いつも逃避してるけど)12月に大文字山に蹴上側から登ったりしていたのだけど、その一環として いろんな人にお勧めの恋愛小説を聞いたりしていた。

クマ先生のお勧めは 堀辰雄の『風立ちぬ』で、先生に 死んだり、暗いものでもだいじょうぶ?といわれた通り、舞台は軽井沢(しかも印象的なのは冬の軽井沢)で、フィアンセが結核で死ぬという、真っ暗で爽やかな小説であった。

「あなたが買ってくれた本は死についてばかりね」というアニーホールの一言を今日思い出した。日本文学でいいなあというのはけっこう死の要素がつよい気がするけど。

三島由紀夫の『春の海』は確か司書さんがおすすめしてくれたのだと思うけど、はじめて読む三島由紀夫で、自害した 右翼の ゲイの(っていうのは知らなかったかな)マッチョだと思っていたので ギャップがすごかった。
とても初々しくて退廃的で繊細で暗くていい小説だった。

2冊とも、壮大に暗い話なんだけど、文体が驚くほどシンプルでしみ込むようで、だからこそすごく印象に残ったんだろう。
夏目漱石とかもおんなじ時期に夢中で読んだけど、だいぶ毛色の違う文章だった。なんていうか夏目漱石の方がヘンクツな感じ。

という話を、今日なつかしいかたがたと飲みに行って思い出したのだった。
そのあと、三島は、その軽やかさにひかれて『レター教室』とかも読んだけれど、そろそろ豊饒の海の続きを読みたくなりました。


どうでもいいけど繊細な少年がいつの間にかマッチョになってるのはたまにあってイギー・ポップなんかもその一人だと思う。